スピ系の何が問題か?

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徒然なるままに思いついたことを書くブログなので、今回は「スピ系」の何が問題なのかについて書いてみる。
「スピ系」だけではなく、所謂「意識高い系」とかも同じなんだけど(笑)。

このブログの最初の記事でも書いたと思うが、自分は別にスピリチュアルなことが嫌いなわけではない。むしろ子供の頃から、不思議ものも好きだったし、宗教的な話にも、かなり興味のある方だったと思う。
(ちなみに、うちの親は、そういうことには全然、無頓着な方でした)

ここで言っている「スピ系」というのは、本来の意味である、そういう宗教的なことではなく、もっとインスタントで短絡的な精神世界に傾倒しすぎている人たちのことを指していると思ってもらいたい。別に、普通に教会に通っているクリスチャンの皆さんや、墓参りを欠かさない人なんかをディスっているわけではない。

これまた、最初の記事に書いた通り、あまり好きじゃないのは、インチキな金儲け主義や薄っぺらい主義主張を振りかざし、周りに押し付け始める人たち、また、疑似科学なんかに対して、イラっとくることが多いのだ。

それでも、「スピ系」に傾倒し始める人って、意外と自分たちの仲間内だけで「私たちって凄いよね」、「これをわからない人たちって、可哀そうだよね」みたいな感じで、閉じた世界を作り始めることも多いから、それはそれで、それに関わらない人たちとは交流しないので、平和な世界なのだが、一旦、関わってしまうと、ホントにめんどくさいし大迷惑を被ることも多い。それは、「スピ系」だけではなく「意識高い系」に属する人たち、自己啓発セミナーや、場合によっては(というか、かなり多くの)ネットワークビジネスに関わっている人たちのグループでも同じ傾向がある。
洗脳されている人たちって、もう周りの言うことに耳を貸さなくなるから(それが、洗脳なんだけどw)、ある意味「ハイ、ハイ」って聞き流して、適当に付き合って(あるいはフェードアウトして)いくのがベスト。下手に、「この人を救ってあげなければ」なんてことを思わないのがお互いのためです。(直接的に迷惑をかけられているのであれば、それには対処しなければなりませんが…。この辺りは、アドラー心理学的に言えば「課題の分離」をきちんとするってことですね)

で、本題である「『スピ系』の何が問題か」って話。

最大の問題は

「自由を完全に奪われている」

っていうこと。
当然、そこに嵌っている本人たちは、そんなことは微塵も思っていない。むしろ、自分たちこそ自由を謳歌していると思っている人も多い。
(実はこれ、「スピ系」というより「自己啓発系」「ネットワークビジネス系」の方が多いかもしれない)

でも、実態としては、思考の自由度を奪われ、選択肢がない思考パターンになっていることが殆ど。
特徴としては、非常に「短絡的」な思考パターンになっていることが多い。

例としては
「師匠が、こう言っている(依存・思考停止)」
「前世からのカルマが…(短絡的結合)」
「こうなったのは、これが原因(決めつけ)」
などの発言。その他
・度を超した楽観主義(想定外のことに対する対応力の無さ、無思慮)
・突発的な行動(無計画。本人は「直感」とか「導き」とか言い出す)
などなど。

まあ、こういった特徴があったとしても、自分たちの世界だけで対処しているのであれば、好きにやっていればいいのですが、多くの場合、周りに迷惑をかけることが多いですし、それにも関わらず「なぜか」上から目線の物言いを始めるので、イラっとすることが多いんでしょうね。

良い例としては、ちょっと前に「年収は財布の値段の200倍」みたいな話が流行ったことがありましたね(笑)。100億万歩譲って、統計的にそういう結果が出たとしても、それは相関関係ではあっても因果関係ではないし、10万円の財布を使うようにしたからと言っても、年収2000万円にはならないのは、小学生程度の頭があれば、理解できても良さそうだと思うのですが、そういう考えに至る人の思考って、どうなっているんでしょうね?
ぶっちゃけ、私は財布の値段の10000倍くらい稼いでますけど(笑)。
(年収は財布の値段の200倍理論の反例を出してみましたw)

こんなことを言い出した人は税理士で、この記事を読むと

「君は税理士を目指しているんだよね。僕は君みたいな人に、大切なお金の管理を任せたいとは思わないな」

とか、とある社長に言われたらしいですが、私も任せたくないですね。こんなアホな考えを人に広めようとする人には。すぐに騙されて問題を起こしそうだ(笑)。

あとは、先程書いた疑似科学。
「量子論が~」とか、水素水とか、EM菌とか…。あと、奇跡のリンゴとか(笑)。
あまり書き過ぎちゃうと、信者から刺されるかもしれないので、止めておこう(笑)。
どれも、信じている人が自分たちだけでやっている分には、全然、文句は無いんですよ。あと、きちんと手順を踏んで、理論を構築して、新しい分野に挑んで行くのにはもちろん文句は無いですし、むしろ応援します。問題は、上にも書いたような「短絡的思考パターン」によって、思い込みで、物事を関連付けてしまうということ。
例えば、もうかなり前になりますが、右回りのコマは左回りのコマよりも軽くなるという理論(追試験では確認できませんでした)や、常温核融合の発見、最近ではSTAP細胞なんかも、結局は確認されていません。
STAP細胞なんかは、今でも定期的に陰謀論がネット上で飛び交いますが、文句ある人は自分で検証実験してみれば良いのにって思うんですけどね(笑)。
「こうあって欲しい」という願望を、都合良く利用するのは、科学に対する冒涜です。そういうことをする輩は、どうにも信用がおけないってことです。
(知性も倫理感もです)

あとは、こういう自分たちの願望とか欲望につけこんで、我欲を満たそうとしている人たちもたくさんいるというのは、たぶん、多くの人が感じていることで、それが「スピ系」や、それに類する人たちが変な目で見られることの大きな原因の一つになっていると思う。
自覚がある人も無い人もいると思うが、自覚しながらやっているという人は最悪だなって思う。はっきり言えば「詐欺」だもんね。もちろん、自分たちでは、そんなこと絶対に言いませんが。カモにばれちゃうから。

カルト教団なんかは、その最たるものだが、自己啓発セミナーや、最近ではカウンセラーとか呼ばれている人にも多いような気がする(調べたわけじゃないので、これは「気がする」ってだけです)

自分も、仕事の為にNLPなんかを学んでいるし、ビジネスの世界でもマーケティングなんかの分野で、DRMとかエモーショナル・マーケティングなど、直接、感情に語り掛けるような手法もたくさんある。
でも、それはあくまでもお客様に価値を提供するための手段として使うべきであって、きちんとした資格団体などでは、必ず、倫理規定が定められていて、自分自身の利益を満たすために自分の置かれた立場やスキルを悪用しないように定められているはず。
ところが、世の中に乱立する民間資格(資格ビジネス目的)だったり、なんだかインチキくさい資格や団体では、もう何でもありで、明確に言うことは少ないかもしれないが

「自分が良ければ、それで良し」

と言っているとしか思えないようなところもたくさんある。

自分は、他のブログなんかでも「知性は品性に裏打ちされる」という記事を書いたこともあるが、そういう品性が低いことしか言えないような人間、団体は、本質的に知的レベルが低いとしか思えないので、何を言われても信頼はできない。

そもそも、そういう人たちに限って「スピリチュアル」とかいう割に「たくさんお金欲しい」とか、真逆のことを平気で言うし(お金は大切ですけどねw)、単に楽したいと言っているようにしか見えなくて、ちょっと引いてしまうというのがホントのところ。

で、そういう心理学的な知識やスキルを悪用する人たちは、平気で、人の感情を揺さぶり、敢えて矛盾を作り出し、感情のブレを大きくしたところにできた心の隙間に入り込むという、本当にあくどいことを平気でしてくる。
例えば、宗教団体でやる単純な手法としては、「こうすれば天国に行く、こうすれば地獄に行く。でも、どちらを選ぶかはあなたの自由」みたいな感じで、あたかも自分で選ばせたかのように感じさせつつ、相手をコントロールしていく。
これって、実は拳銃を頭に突き付けられて「100万円払えば、あなたは無事で、払わなければ、あなたは殺されます。どっちを選ぶかはあなたの勝手」とか言われているのと本質的には変わらない。
これと同じように、スピ系でも、自己啓発系でも、カウンセリングでも、心を揺さぶるようなことを言った上で、相手に選択を迫り、あとは知らんみたいな無責任なことをしている輩が本当に多い。ホントは、もっと相手の心に優しい、「気づいたらいつの間にか癒されていた」みたいなこともできるはずなのに、気づかれないように相手の心をコントロールし、しかも相手にはそれを悟られないようにしているという「悪い」奴らが、世の中にたくさん出てきているのは、時代が変化する過渡期なんでしょうかね…。

そういう人たちに騙されないように、本当に自由に自立できるようになるにはどうしたら良いのか…。また、薄っぺらではない、本当の意味での精神的成長・進化をしていくためにはどうしたら良いのか。

それについては、また、明日以降、気が向いたら書いていきたいと思う。

悪人

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