イノベーションとゆらぎ

 先日、ITCみやぎのワークショップが開催されたのですが、その講演の一つの中で、経営革新の敵として「PDCAが回っている」というものが例として挙げられていました。
 通常、経営を行っていく中で、PDCAのサイクルをうまく回していくことは重要なことのように思えますが、それが革新の敵となっているという言葉がとても印象に残りました。

 ところで、私は学生時代ニューラルネットワークというものを研究していたのですが、その応用分野の中に最適化問題の解決というものがあります。よく例に出される問題としては、巡回セールスマン問題というものがあるのですが、これは、複数の都市をセールスマンが回るときに、どういう経路で回るのが一番、効率的かということを考える問題です。当然、都市数が多くなるほど、組み合わせが爆発的に多くなってしまいます。
 この問題を効率的に解決するために(最適解ではなく、準最適解なのですが)ニューラルネットが使われる研究がありました。

 ここで、最適解ではなく、準最適解というところがミソなのですが、これは、起伏のある土地にビー玉を置いてみたときのことを考えてもらえればわかりやすいかと思います。ビー玉は、低いほうに転がっていきますが、必ずしも土地全体の中で最も低いところに止まるわけではありません。最初に置かれた場所から見て、一番、低いところに安定します。
 この問題に対処し、最も低い位置に安定するための研究もなされています。簡単に言えば、外部から、適切な刺激を与えて、ちょっとだけ低くなって安定しそうな場所から飛び出させていくという方法です。

 会社の経営にも同じことが言えると思います。
 最初に書いたPDCAを回すということに繋がるのですが、同じ枠組みの中で、改善を繰返していても、必ずしも最適な経営が実施できるとは限りません。
 時々、外部からの刺激を受けて、更なる経営の改善をしてみては如何でしょうか?

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