フィードフォワード

 大学院の頃、ニューラル・ネットワークが専門だった。
 その流れで、運動制御の本なども読むことがあったのだが、いろいろ神経をいじくったサルの運動の測定をした話があった。
 そこで、前肢をA地点からB地点まで動かすときの腕の運動速度を調べると、最初はゆっくり、中程は早く、最後はまた遅くというように、釣鐘型の運動速度をとっていた。
 これはフィードバック回路を切断したようなサルばかりではなく、正常なサルでも同じだと思うが、ビジネス(特に新規ビジネス)を行う際も同じようなことが言えるかもしれない。
 最初は、方向性を誤らないために慎重に、ある程度の方向性が見えたら一気に進み、目標とするところまできたら、着地点を誤らないように、また慎重な事業展開が必要になる。

 ところで、運動制御にはフィードバックとフィードフォワードという考え方があるが、フィードバックだけで運動制御しようとすると時間がかかり過ぎる。そこで、どうしてもフィードフォワードという考え方を取り入れざるを得ないのだが、フィードフォワードは難しいのだ。何をどうすればどう動くのかということを知っていなければならない。それを学ぶための学習にもフィードバックは必要であり、そこをうまく回すことによってこそ、フィードフォワードも生きてくるのだ。
 これは、組織のマネジメントにも言えるだろうし、先程述べたように、ビジネスを行う際にも応用できる。
 ITCプロセスでもモニタリングを重要視しているが、これは正にフィードバックの部分に当たる。しかし、ドッグイヤーとかラットイヤーと言われるようなスピードの現在では、やはり、BSCなどのようなフィードフォワードのツールをうまく組み合わせてこそ、企業は生き残っていくことができるのではないだろうか?

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コメント

  1. フィードフォワード

     大学院の頃、ニューラル・ネットワークが専門だった。
     その流れで、運動制御の本なども読むことがあったのだが、いろいろ神経をいじくったサルの運動の測定をした話があった。
     そこで、前肢をA地点からB地点まで動かすときの腕の運動速度を調べると、最初はゆっく�…