トレードオフではなくブレイクスルーなのだ

 今日は、床屋に子供と一緒に行った後、一人で図書館までブラブラと歩いていった。
 オイラの家から図書館までは、歩いて15分くらいのところだ。
 まあ、それはどうでも良いことなのだが、歩いている最中にタイトルのようなことをボーっと考えていた。
 オイラは、今のところ、とあるSIerのSEとして働いているのだが、お客様からの要望と予算などがどうしても合わないことがある。
 そんな時、優秀なSEは、ちゃんと提供する機能範囲と開発に必要な費用のトレードオフを考えて、お客様に提案するのだろうが、どうしても、それがお客様に受け入れられず、案件が失注してしまうこともある。
 お客様が望んでいるのは、予算と機能範囲の安易なトレードオフではなく、足りない予算と要望機能の矛盾を打ち破るブレイクスルーなのだ。
 日本の誇る数学者である広中平祐博士がフィールズ賞を受賞した『代数多様体の特異点解消理論』という理論がある。ものすごく簡単にいうと、新しい変数(観点)を付け加えて複雑なものを簡単にするという理論らしい。よく引き合いに出される例えが立体交差の例えだ。
 立体交差が道路に落とす影は、交差点を形作るが、実際の立体交差に交差点は存在しない。これは、高さのパラメータ(観点)が無くなっている為に起こっている現象だ。
 広中氏の理論を持ち出すまでもなく、ここ何年かで日本でも話題になってきているTOCの思考プロセスでも同様のことが言える。
 そのなかでは、『雲』と呼ばれる対立解消図に対して、インジェクション(対立解消条件)を注入することによって、矛盾を解決して区手法が取られる。
 これから、ITコーディネータ、あるいはITコンサルタントとして仕事をしていく上では、安易なトレードオフでは無く、より広い視点から問題を俯瞰するように心掛けていく必要がある。
 特異点解消については、以下のページを参照にするとイメージは掴めるかも・・・。
http://www.titech-coop.or.jp/landfall/pdf/50/50-2.pdf

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コメント

  1. orataki より:

    ひでぽんさま
    お初です。カスガさんとこから飛んできました。いきなりこんさーる日記があったのでびっくり。ITCなんですね。私も「ボチボチITC」やってます。
    SEやってたことがあるんでよくわかります。ブレイクスルーか。いいですね。言うはやすし、ですけど。。
    今後ともよろしく情報交換お願いいたします。

  2. ひでぽん より:

    oratakiさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
     確かに『言うは易し』というところはありますが、だからこそ、クライアントは、コンサルティングを頼むのではないかと思うのです。
     そんなクライアントの期待に応えるためにも、日々の精進を怠ることはできませんね(^_^)。
     これからも、よろしくお願い致します。