世間では新型コロナウイルスに関する動きが今年も慌ただしく、緊急事態宣言が発令されたり延長されたり…。
そんな中、ワクチン接種に関する報道も連日あり、相変わらずマスコミは不安感を煽っているのか何なのか、よくわからない報道ばかりしているのが気になります。
取り敢えず、厚労省のサイトには、今後の接種に関して発表されていますので、まずはそちらを確認してもらうのが良いと思います。
世の中には反ワクチンの人が結構いるようで、特に今回の新型コロナ騒動では、陰謀論を信じている人だけではなく、ワクチン開発期間が短かったこともあり、ワクチン接種に不安感を感じている人が一定数いるようです。
(しかもマスコミで副反応について連日報道されていればそれも仕方がないか…)
基本的にワクチンは接種したほうが良いと思いますが、接種開始後にどのようなことが起こり得るか?
僕が懸念しているのは、以下の2点です。
1.ワクチン接種者の死亡・副反応に関する過剰報道による接種率の低下
厚労省のサイトには、ワクチン接種順位の見込みが書かれていて、
- 医療従事者等
- 高齢者
- 高齢者以外で基礎疾患を有する方や高齢者施設等で従事されている方
- それ以外の方
となっています。
医療従事者は感染リスクも高い上に、感染者の治療にもあたらなければならないので当然なのですが、高齢者や基礎疾患を持つ人が優先的に接種されるというところが気になります。
もちろん、優先順位の高い人は感染時に重症化するリスクも高く、早く接種するというのは当然の配慮で、それ自体に問題はないのですが、気になっているのは、そのような人たちは新型コロナに関係なく、死亡リスクは高く、もしワクチン接種後に死亡したとしても、ワクチンの副反応によって死亡したのか別の要因によるものなのか非常に判別しにくい(もちろん、医者の判定はあるでしょうが…)。
特に身内の人間からすると「もしワクチンを打っていなかったら死ぬことはなかったのでは?」という思いが絶対に出てくるのは間違いない。
今回のように世間に注目されている状況の中で、そのような事例がセンセーショナルに報道され、
「新型コロナのワクチンは危険性が高いから接種しないほうが良い」
という雰囲気が醸成されてしまったら非常に問題。
(そして、今のマスコミは、そのような報道を行う可能性が非常に高いと感じています)
元々、どのようなワクチンでも副反応の可能性はあり、だからこそ今回のワクチン接種でも、接種後の経過を見て大きなトラブルを極力起こさないような体制を整える準備をしている(はず)。
リスク管理の考え方から言えば、リスクを0にするなんていうのは、ほぼ不可能に近く、ワクチン接種で言えば0リスクにするのであれば「ワクチン接種をしない」という選択をするしかない。
その場合、副反応というリスクは回避することができるが、同時にワクチン接種によるメリットも放棄することになります。つまり、新型コロナに罹患し重症化するかもしれないというリスクの方は回避できないということ。
(ついでに言えば、集団免疫の獲得にも寄与しないので、社会的にフリーライダーになるということです)
話を戻すと「ワクチンは危険」という雰囲気が世の中に蔓延すると、人々の意識として、いつまでも「新型コロナ怖い」という集団心理だけが残り、過剰な自粛によって社会が死んでしまう。
これは絶対に避けなければならない。
2.ワクチン接種が始まっても、「今の」感染者は減らない(少なくとも即効性は無い)
今回のワクチンの効果は
- 新型コロナの「発症予防」
- 新型コロナの「重症化予防」
の2点。
それを考えても、ワクチンは接種すべきだと思うのだが、不思議なことに、今、世の中で大々的に発表されているのは「PCR検査の陽性者数」。
PCR陽性者数≠新型コロナ発症数
なので、ワクチン接種が始まったからといっても、別にPCR検査陽性者数が即時減るわけではないし、ワクチン接種したからといって検査で陽性にならないわけでもない。
PCR検査は「ウイルスの存在」診断なので、検査で陽性だからといって必ずしも感染性があるわけではないということは注意が必要です。
今でも「無症状の感染者が感染を広げている」という意見もありますが、ワクチン接種開始後にそのような状況が進む可能性は十分あります。
僕は、コンサルする際に
「人は正しく評価すれば正しく動く」
ということをよく言っています。
簡単に言えば、PDCAをきちんと回すということなのですが、評価(チェック)をきちんと行えば、問題点を正しく修正する(アクション)ことができるということです。
今の新型コロナに関する世間の評価は(なぜか)「PCR検査陽性者数」。
そして、ワクチン接種の効果は先程書いたように「感染者の発症率低減」。
評価に対するアクションにずれがあるので、ワクチン接種が始まったとしても効果が現れているように見えない。
(発症者が減れば、間接的に検査陽性者が減る可能性はあるし、そもそも検査数は減っていくでしょうが)
だいたい、インフルエンザのワクチン接種は毎年あるのに、感染が無くなっていないことを考えれば、どの程度の効果が期待できるかについては想像できても良さそうなもの。
懸念しているのは、
「ワクチン接種が始まったのに、感染者は減らない」
とか
「ワクチン接種したのに、PCR検査で陽性と判定された」
という声が多発し、
「新型コロナのワクチンに効果はない」
というイメージから、やはりワクチン接種に否定的な意見が増えてしまうこと。
マスコミを含め、国はワクチン接種に関して、
どの程度の効果が期待できるのか
どのようなリスクがあり、どの程度の効果が出れば「成功」と判定するのか
を明確に情報発信し、国民感情がおかしな方向に行かないように注意すべきだと思う
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