シンクロニシティの話

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スピリチュアル系が大好きな人達は、よく「シンクロニシティ」という言葉を持ち出す。

この言葉自体は、確か、心理学者のC.G.ユングあたりが持ち出したんじゃなかったかと記憶しているが(違ったら、ごめんなさい)、日本語では「共時性」と訳されたりする。

要は、因果関係の無い偶然の一致のことなのだが、特に「引き寄せの法則」なんかが好きな人は、この言葉が大好きだ(笑)。何でだろう?

「因果関係が無い」という定義通り、人間の意志がきっかけで何か起こるというわけではない。例えば、「誰かのことを考えていたら、その人から電話がかかってきた」なんていうのは、シンクロニシティの一つの例だが、これは、誰かのことを考えた「から」電話がかかってきたのではない。あくまでも因果関係がないということが前提である。

もし、シンクロニシティと因果関係を絡めるというのであれば、原因となる何らかの要素が、電話を受けた人と電話をかけた人、双方に影響を与えたと考えるべきだろう。

そうなったとき、誰かのことを考えていたというのは、自由意志による思考ではなく、外部からの影響を受けた生理現象ということになる。

シンクロニシティを考えたとき、自由意志はあるのかないのか?

上の例では、二人の別々の人たちの行動であったから、ユングの提唱していた集合的無意識なかを考えたほうが説明しやすいのかもしれないが、意志を持たない(と思われる)自然現象の場合はどうなるか?

多くのシンクロニシティは、カラーバス効果などで説明できる。

要は、世の中は常に情報が溢れているが、そこに意味づけし、認識するのは、あくまでも人間だということ。普段は意識していないから、認識されないような事柄に意味づけし、あたかも偶然の一致であるかのように「感じてしまう」ということだ。

本当のところは、何とも言えないし、様々なケースによって違ってくるだろうが、短絡的にスピリチュアルな事柄に結びつけようという態度は如何なものかと思う。

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