見えるものと見えないもの

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

昨年から心屋信者さんとtwitterで意見交換しているのですが、どうにも意思疎通が上手く行きません(笑)。

ちょっと(かなりw)仕事が忙しくなっているので、しばらくお休みする予定なのですが、その間に「どこが問題なのか」について改めて整理しようかと思い、じっくりと5秒位(笑)考えてみました。
(本当はブログなんか書いてる余裕無いんですけど、忙しくなると現実逃避したくなって、他にもブログネタがいくつか思い浮かんでしまった…)

行き詰まった時には、原点に戻って考えてみるという、まるで推理小説に出てくる探偵のように考えてみます。推理小説は全然好きじゃないけど(笑)。

以前、書いた「カルトの一般化・歪曲・省略について」という記事の中では

5W1Hを意識して訊いてみる(誰が?いつ?どこで?どのようになど…)

ということを書いています。

なぜ、今回、こんなにも意思疎通ができていないのか?
5W1Hが伝わっていないのか?

と、考えてみて、はたと気づきました。

…というか、薄々とは感じ、それに関することも投げかけてはいたのですが、私の方で、きちんと意識に上らず、言語化できていなかったようです。

簡単に言えば

見ているスコープが違う

自分でもそれについて、何度か言葉にしていましたが、きちんと意識できていなかったようです。

だから5W1Hの一つ。Who(誰)を意識して訊いている・話しているつもりなのに、その部分にさえ、お互いに齟齬が生じてしまう。

場合によっては、5W1Hではなく、8W3Hくらいまで意識して言葉にしなければならなそうです(うゎ!めんどくさw)

ちなみに8W3Hは

  • When?いつ?
  • Where?どこで?
  • Who?誰が?
  • What?何を?
  • Why?なぜ?
  • Whom?誰に?
  • Which?どちらから?
  • When by?いつまでに?
  • How?どうやって?
  • How much?いくら?
  • How long?どのくらいの長さ・期間で?

です。
(赤字は5W1Hとの違い)

今回、特に意識ズレを感じているのがWhom(誰に)の部分です。

同じ世界を見ているはずなのに、相手には見えていない部分がある。
だから、その部分への配慮がすっぽりと抜け落ちてしまう。

まさにNLPでいう

The map is not the territory.(地図は土地ではない)

ということですね。

以前「心理学と文化のこと」という記事の中でも紹介したのですが、マゼランがフエゴ島を訪れたとき、島民はその船に気付かず、島のシャーマンだけが気付いたという話があります。
要するに、島民からすれば、現実には存在している巨大な船が全く目に見えていなかったということです。ドラえもんの「石ころぼうし」を被っているようなものですかね(笑)

ちなみにこの話はコリン・ウィルスンの「SFと神秘主義」という本の解説の中で、翻訳者である大瀧啓裕氏が紹介しているものです。
(絶版本なので、読みたい方は図書館などで探してみて下さい)
ちょっと引用してみます。

ローレンス・ブレアの『超自然学』に興味深いエピソードが紹介されている。一五二〇年、世界周航を目指すマゼランの一行が、南米最南端のフエゴ島に達したときのこと、意外な出来事が一行を待ちかまえていた。マゼラン率いる四隻の船も、フエゴ島民に対しては水平線を乱すにはいたらなかったらしい。島民の証言によれば、最初に気づいたのはシャーマンで、見知らぬ人々がなにかに乗ってやってきており、そのなにかとは信じられないほど不自然なものだが、注意深く目を向けさえすれば、実際に見ることのできるものだと島民に告げたという。すなわちフエゴ島民は、シャーマンに指摘されるまで、現実に存在するスペインの大型帆船四隻がまったく見えなかったのである。

ここにはまた、以下のようなことも書いてあります。

見ても見ず、聞こえても聞かずといったこと、判断に重要な点がそっくり欠落していることは、日常茶飯事に起こってる。その原因としては自己保存の原則があげられるだろう。固執する概念、信条等に由々しい脅威がもたらされるとき、人間の精神は新たな鳥瞰に達する努力を払うよりも、対立するものを自動的に排除することを好むらしい

このあとにも、非常に興味深い考察が書かれているのですが、興味のある方は、ぜひ本を探して読んでみて下さい。

もちろん、この現象は自分自身にも起こり得る話で、そのようなことをできる限り避けるために、自分としてはNLPなどについて実習を含めて学び、視点を固定化しないように心掛けています。
(で、カウンセラーとかをするつもりはありませんが、一応、NLPプラクティショナーの資格も持ってます)

少し、仕事が落ち着いたら、心屋信者さんとのやり取りも再開するつもりですが、このあたりについても、もう少し意識した上で再開してみようかなと思います。


【追記】

チェックすべき項目としては

Whose(誰の?)

も入れておく方が良いな…と思った。

にほんブログ村 哲学・思想ブログ 哲学・思想情報へ
にほんブログ村

帆船

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする