是々非々で考えるということ

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「是々非々」という言葉を辞書で調べてみると以下のような意味が出てきます。

ぜぜ‐ひひ【是是非非】

《「荀子」修身の「是を是とし非を非とする、これを知といい、是を非とし非を是とする、これを愚という」から》よいことはよい、悪いことは悪いと公平な立場で判断すること。「―主義」

(小学館 大辞泉)

世の中を見渡すと、この「是々非々」で物事を考えられないという人が結構見受けられるように思えます。
政治の世界でも然り。

「○○党の言うことは反対」

というように、反対そのものが目的になってしまって、自分が出張してきたことに矛盾が出てもお構いなしとでもいうような主張がよく見られます。そのような矛盾に関しては、ブーメランと揶揄されていますが…。

このようなことは、もちろん政治の世界以外でもよくあることです。

今回、このことに言及したのは、ネット上で以下のようなツイートを目にしたからです。

僕は野球には全然興味が無いので、今の阪神の監督が誰かすら知らなかったくらいなのですが(笑)、このツイートの中で「倫理法人会」という団体について言及していたことがちょっと気になりました。

実は僕はこの団体から依頼を受けて、2回ほどセミナーをしたことがあったります。

ちょうど以前出版した頃、会に属していた知り合いから頼まれて、お話をしたのですが、多分、そこで行われているセミナーではちょっとめずらしい内容だったのではないかと思います(完全にビジネスのテクニカルな話)。

モーニングセミナーというやつで、めっちゃ朝早い時間にやったのですが、経営者さんが多く属しているので、そういう理由もあるのかな-くらいに思っていました(実際、それもあるんじゃないかと思います。確認してはいないですけどw)。

改めて調べてみると、創設者は元々、今のPL教団に属していたようで、戦前に不敬罪で逮捕されたのをきっかけに距離をおき、後に倫理研究所を作ったようです。
その歴史についてご興味のある方は、ご自分で調べていただくとして、ほんのちょっとだけ関わった感じでは、上のツイートに書いてあるような「カルト」というような印象は薄かったです。
(まあ、会員のテンションにはちょっとついて行けないな-という感じはありましたが、それは人それぞれでしょう)

別に、そこでやっていることの説明を詳しく聞いたわけでも何でもないのですが、見た感じでは周りから批難されるような活動をしているわけでもなさそうかなーという気はします。知り合いも何人か所属していますが、皆良い人ですし。
ちなみに僕は、倫理観が無いように見えているのか、誘われることはありませんww。

さて、こうしたことを考えてみると、カルトとか問題のあると見られている団体と、そうではない団体の境目ってどこにあるのかがちょっと気になります。

例えば、「自分はクリスチャンです」っていうのと「〇〇の科学の信者です」っていうのでは、ちょっと印象が変わるかもしれません。
単に「仏教徒です」というのと「〇〇学会員です」というのでも印象が変わるかもしれません。
場合によっては、イスラム教徒ですというと「ちょっと怖い」という人もいるでしょう。

今、いろいろなところで話題になっているようなスピリチュアルと呼ばれているものや自己啓発セミナーなども、問題と考える人、それ程問題とは考えない人、いろいろいるでしょう。

このブログでも多少、そのあたりのことを批判的に書いている記事もありますが、基本的には人に迷惑をかけずに責任が取れるのであれば、自己責任の範囲で好きにやったら良いというスタンスです。

では、僕自身が何を問題としているのかと言えば、自分で考えた結果として自己の行動を選択できれば良いのですが、その自由を奪われている状態、言い換えれば「人の自由を奪うような活動」をしているような教え、団体は非常に問題だと思っています。

それについては、以下の記事が一番わかりやすいかなと思います。

徒然なるままに思いついたことを書くブログなので、今回は「スピ系」の何が問題なのかについて書いてみる。 「スピ系」だけではなく、所謂「意識高...

このブログで多く取り上げてきた心屋仁之助氏についても、言っていることを個別に見れば頷けることも多い。

料理の話ではありません(笑)。 心屋くんのブログやなんかに書いてあること、書いている個別の素材は、それぞれ納得できるものだし良いことも書い...

まあ、詐欺師なんて、言っていることの9割は正しく、自分を信用させてから大きく騙すのだから、油断はならないのですが…。

だからこそ、タイトルにもあるように、自分自身の頭で「是々非々」で考えることが非常に大切になってくるのだと思います。

「この人が言っているから信用できる」

ということで思考停止し、騙されるということには気をつける必要があるし、逆に

「この人が言っていることは全部間違っている」

という態度も正しいとは思えない(もちろん、信用するに値しないと感じられる人はいると思いますが)ですし、ましてや相手がおかしいということを主張したいがために事実を歪めたり都合の良いところだけを切り取ったり捏造したりすることは許されません。

僕はいろいろな本を読んだり、研修を受けたりしても、そこから一つでも学ぶものがあればOKと思っています。

この本に書いてあったからとか、このセミナーでこう言っていたからということで思考停止するようなことが無いように気をつけているつもりです。

一番怖いのは、内容よりも「誰が言っているか」ということに引きずられてしまい、自分自身の言動がブレブレになってしまうことで、そんなことを続けていたら周りからの信頼を失っていくだけですし、ましてや他人のやっていることは批判しておきながら、自分の言動は言い訳だらけで正当化するようなことがあってはならないのではないかと思います。

まあ、普通の人は「一貫性の法則」という心理的な働きによって自らの言葉や行動、信念などに対して一貫した態度を取るものですが、保身ばかりを考えている人は、平気で矛盾したことを言いますからね。場合によっては記憶まで書き換えていますから、そういう人には関わらないのが一番なのかもしれません。

以下の記事を参考に貼っておきます。

ファクトチェック

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