心屋くん、今回の記事には及第点をあげましょう

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超上から目線(笑)。

今回の心屋くんの記事は、及第点をあげても良いかなという内容でした。
70点(笑)。

まあ、取り敢えず、先日から丁寧な説明をしようとしている姿勢は感じられます。
今回の記事にも

よく誤解されることなので書いておきますね。

って書いてますしね。
(誤解かどうかは知らんけど)

もし自分がこの相談者に同様の相談をされたら、結果として同じアドバイスになるだろうと思います。

以下、減点ポイント

「ちゃんと言う」てことよ。
「ガマンをやめる」「わがまま言う」てこと。

これが「怖いことをする」だ。

「ちゃんと言う」っていうことを勧めるのはOK。
とても良いアドバイスだと思います。それを「怖いことをする」と表現しているのも問題ありません。

ただ、これを「わがまま言う」と表現するのは、ちょっと(だいぶ)減点。

「自己主張をする」ということは「わがままを言う」というのとは異なります。
→ これ、意外と同一視している人が多いので、心屋くんだけの問題ではありません。

自己主張をするというのは、単に「自分の考えをしっかりと相手に伝えること」であって、そこには確固とした自分の意志があるとともに、相手に対するリスペクトもあります。

一方、「わがままを言う」というのは「自分の考えの押しつけ」でしかありません。
押し付けであるわけですから、自分の考えに対する相手の対応までコントロールしようとします。
なので、自分の考えを伝えた後「こう対応してくれるのが当然だ」とか「自分の考えを受け入れてくれて当然」のような態度になります。そしてそれが思い通りにならないと、子供のように怒りを撒き散らすようになります。

これが「自己主張をする」ということと「わがままをいう」ということの違い。

この違いを明確に伝えておかないと、心屋くんが「誤解されている」と思ってしまうように、周囲の人のことを考えずに迷惑をかけるひとを増やしてしまうことに繋がりかねない。

ただ、これに関しては、まあ許容範囲。次から気をつけるように(笑)。

そこを認識していないと

「ヤダって言ってんじゃん!」
「バカにすんな!」
「自分でやれよ!」
「しらねーよ!」
「おめーにカンケーねーだろ!!」

ということを言うのを練習させることに繋がってしまう。
これは相手とのコミュニケーションを考えていないやり方。

自分の思いを強い言葉で相手にぶつけることを「自己主張」と勘違いしていると、このような言葉になってしまいます。
コミュニケーションは合わせ鏡です。
先日、紹介した金子みすゞの詩のように、自分の対応がそのまま自分に跳ね返ってきます。
これが、世の中を「勝ち負け」で考えてしまっているような人だと、相手が勝つか自分が勝つか、という2元的な考えになってしまいがちなので、相手を屈服させる、有無を言わせず自分の思いを押し通そうとしてしまうために高圧的な態度を取ったり、必要以上に自分を強く見せようとしてしまいます。
しかし、そのような対策しか取れていないと、自分より弱そうな人には高圧的な態度を取り、自分より強そうな人に対しては何も言えないという卑屈な人間になってしまう可能性が高く、自分の意見が通らなそうな相手に自分の考えを伝えられなかった場合には、余計に自分を卑下し落ち込んでしまうということになりかねません。

なので、この場合、「わがままを言っていい」という言葉を使うことには慎重になった方が良い。

ただ、最後に

もちろん
場面によっても違うし

と、絶対じゃないとフォローしているのは評価できます。

そして最後に

あとはそーやって
試行錯誤していくんだよ。

というところ。

実は、ここで心屋くんが言っている「試行錯誤」ということは、別に心屋くんオリジナルではありません。

これは、解決志向アプローチ(Solution Focused Approach / SFA)という、ティーブ・ド・シェイザー(Steve de Shazer)、インスー・キム・バーグ(Insoo Kim Berg)を中心に開発されたカウンセリングの理論で提唱されている中心哲学でも言われていることです。

この中心哲学は

ルール1 上手くいっているなら、変えようとしない
ルール2 一度でも上手くいったなら、またそれをしてみる
ルール3 上手くいかないなら、(何でも良いから)何か違うことをしてみる

という3つのルールから成り立っています。

このルール3が、試行錯誤にあたるものなのですが、もちろん間違いでは無いものの、僕はその使い方には気をつけた方が良いとも思っています。

というのは、行きあたりばったりに試行錯誤していると、状況が変わるというのは確かですが、改善ではなく改悪もあり得ること、場合によっては取り返しのつかない状況に陥るということもあり得るからです。
「取り敢えず」試行錯誤してみるというアプローチを取るのであれば、そのような危険性について重々承知の上で試行錯誤をしていくべきです。

ちょっと話が飛びますが、問題解決策を探る方法として「遺伝的アルゴリズム」という考え方があります。
これは、生物の進化を模した解法探索手法で、まさに試行錯誤を続けていくというアプローチです。
生物の進化をヒントにしているだけあって、一定の成果を見せますが、それは「種の生き残り」という大局的な視点での成功であって、個別の個体(一人ひとりの人間)は成功するかどうかわからない。
例えば、さまざまな心屋メソッドをたくさんの信者様がそれぞれで試してみて、失敗する信者も成功する信者もいた場合、失敗した信者様は淘汰され、成功した信者様はそのメソッドを次の信者に伝えていく。
つまり、「心屋メソッド」としては洗練されていくけれども、ダメなメソッドを選んでしまった信者様個人は酷い目にあってしまうこともあるということです。

もし、心屋メソッドとして世に広め、洗練させていくのであれば

  • 失敗した信者様のフォロー(「知らんがな」ではなくw)
  • 成功した信者様の状況を可視化し、末端の信者様にフィードバックする

といったことが必要不可欠でしょう。

…コンサルみたいになっちゃいそうだから、この辺でやめておこう(笑)。

まとめると、今回の心屋くんの記事は、まあまあ良かったということ。
留意ポイントを参考に、もうちょっと頑張ってみてください(笑)。
だんだん、心屋くんの尖ってるところが丸くなってきちゃって、世の中のまともなカウンセリングとの差別化ができなくなっちゃうかもしれないけどね(笑)

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