責任を負うということ

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北京で冬季オリンピックが開催中です。

スキージャンプの男女混合団体戦で期待されていた高梨沙羅選手が失格となってしまい、それに対する心境を発表しています。

高梨沙羅が謝罪「私のせいで皆の人生を変えてしまった」 SNSで失格後初めて心境説明、今後を検討

https://megalodon.jp/2022-0209-0910-45/https://the-ans.jp:443/beijing-olympics-2022/217936/

謝罪文となっていますが、結果として失格となってしまったとはいえ、彼女が責任を感じることだったのかどうかについてはいろいろと考えさせられることがあります。

「責任を取る」「責任を負う」という言葉を軽々しく口にする人も多いですが、実際のところ、何かが生じた時に取らなければならない責任というのはどういうことで、どのようにすれば責任を取ったということになるのでしょうか?

辞書で調べると、このような説明となっています。

  1.  立場上当然負わなければならない任務や義務。「引率者としての―がある」「―を果たす」
  2.  自分のした事の結果について責めを負うこと。特に、失敗や損失による責めを負うこと。「事故の―をとる」「―転嫁」
  3.  法律上の不利益または制裁を負わされること。特に、違法な行為をした者が法律上の制裁を受ける負担。主要なものに民事責任と刑事責任とがある。

デジタル大辞泉(小学館)

基本的には1の意味となるのでしょうが、それが果たされなかった時に、2,3のような意味で使われると考えるのが妥当でしょう。

仕事上の責任の場合は、比較的考えやすく、金銭に換算することができます。
何らかの責任を果たせなかった場合、最終的な責任の取り方で言えば、それに見合った金銭での賠償ということになるでしょう。減給や降格処分・解雇というものもあるかもしれません。
(本来、責任を果たせていれば得られた利益を剥奪されるという意味での制裁ということになるでしょう)

一方、2,3(特に3)については、金銭に換算できないことも多く、そのような場合、法的制裁を受けることが本人にとっては罰にはなりますが、それが即、責任を取ったということにはならないことには気をつける必要があります。

以前、このブログでも「プライスレス」というタイトルの記事を書いたことがあります。

twitterを見ていると、ちょっと嫌な感じの情報が流れてきました。 炎上の張本人は既にブログ内容を消去し、反省の言葉も書かれていたようで...

記事中では木村一八のセリフを紹介していますが、繰り返し書くと
単なるバカのセリフ。

単に感情に振り回されての行動により、誰かを傷つけ、取り返しのつかない結果を生んだ場合、プライスレスの場合には、本来、責任など取りようがないのです。

僕は、軽々しく「責任は負う」「責任は取る」などと言う人には、「どうやって?」と訊くようにしています。
少しでも考えている人は、そこで黙ってしまいますし、考えの浅い人は、せいぜい弁償します、法的な罰を自分が受けます程度の答えしか返ってきません。

先程も少し書いたように、本来、プライスレスな事柄、特に誰かの人生を変えてしまうような可能性のあることは、その影響範囲まで考える必要があって、直接対峙している相手に対してはどのような責任が取れるのか、その家族に対してはどうしたら良いのか?相手の友人・知人・仕事関係者に対してはどうなのか?
逆に自分の家族に対しては影響は無いのか?などなど…。
そういうことを考え出すと、安易に「責任」などという言葉を口にすることはできなくなります。

それを口にできるのは、最終的に業務遂行の自信がある場合か、立場上、身を賭して責任を取らなければならない時。
例えば、上司が部下に対して「責任は俺が取るから、やってみろ」などという場合は、最終的に上司が責任を引き受けるから部下に責めを負わせないという覚悟の現れ。これはありです。

ところで、責任っていう言葉は、いろいろと別の言葉と組み合わせて使われることが多いです。

  • 任命責任
  • 遂行責任
  • 説明責任

などなど…。
どれについても、関係者が納得いく結果を出せるかどうかということがポイントになるかと思いますが、結果として遂行責任が果たせなかったとしても、それに対する説明責任を果たせない人って、周りからの信頼は得られないと思います。
説明、理由が「周りが悪い」ということに終止し、自らの問題点について目を逸らしている人は、成長もしないし、周囲から相手にされなくなっていくだけでしょう。

それは、ちょっと寂しい人生なので、やはり自分を客観的に見つめてみる習慣は作っておいた方が良いと思います。

責任

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