恩を送るということ

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偽スピリチュアルやエセカウンセリング界隈で

「お金は使う程、入ってきます」

と言われているのが嘘という話は、以前もブログで書きました。

そこでは、世の中は「等価交換」で成り立っているということを書きましたが、何かを得るためには、等価な何かを支払う必要があります。

スピリチュアル好きな人にも、お金が大好きな人が結構いる。 まあ、この世の中で生きていく上で、お金は大切なものだし、無いよりあった方が良い。...

簡単な例ですが、何かを買って対価を支払う。

これで価値の流れは完結します。

どこまで意識しているかにもよるのですが、価値の循環としては、非常に小さなものです。別にそれが悪いとは言いませんが。

この流れをもっと大きなものにするにはどうしたら良いでしょうか?

考えられることとしては、流れる価値そのものを大きくすること。
大きな買い物をすれば、それだけ多くの人を巻き込む可能性が高い。
ただ、金額が大きいだけだと、影響はそれ程大きくないかもしれません。

そして、単純に関わる人を多くすることも価値の流れを大きくするための一つの方法ですが、ここでちょっと考えてみてください。

人に何かをしてもらったときに「恩返し」をする、というのは、結構、普通の考え方でしょう。
しかし、上で書いた例のように、これは当事者同士の間で価値を交換するだけで、AさんがBさんから受けた恩を、そのままBさんがAさんに返すということで、関係するのはAさんとBさんだけになってしまいます。
ところが、Aさんから受けた恩に対して、Bさんがそれを返そうとしたときに、
「恩を感じるなら、別の誰かに親切にしてあげてください」
と言われたなら、Aさんが作り出した価値は、Bさんを通じて、Cさんにまで届くかもしれません。
これを続けていくと、たった一つの親切が、多くの人を巻き込んでいく可能性があります。

実はこれ、「ペイ・フォワード」という映画のテーマになっています。
おすすめなので、ぜひ一度ご覧になってみてください。

日本にも昔から「情けは人の為ならず」という言葉があります。
人が「自分が」という利己主義に陥らず、もっと大きな視点から世の中と自分の立ち位置を見ることができれば、自分だけが得をするという考えではなく、自分が属している世界そのものを良くすることを考えるようになるのかもしれません。

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