コミュニケーションのあり方 その2

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先日「コミュニケーションのあり方」という記事を書き、情報の発信側と受信側の組み合わせをパターン化した説明をしたのですが、いまいち理解されていない方もいるようなので、ちょっと補足的に説明を書いておきたいと思います。

まず、コミュニケーションというのは、情報を発する側と受ける側、双方が多少なりとも相手に意図を伝えたい、あるいは相手の言っていることを理解したいという思いを持っていないと成り立たないということについて異論がある人はいないと思います。

キャッチボールを考えてみましょう。

ボールを投げる側とボールを受け取る側が、お互いに「ボールのやり取りをする」という思いを持っていなければ、キャッチボールは成り立ちません。

前の記事の中では、発信側と受信側、それぞれのコミュニケーション・スキルによってパターン分けしましたが、基本的にコミュニケーションというのは「到達主義」であるべきだと思います。

つまり、受信する側が発信する側の意図を正しく受け取ってこそコミュニケーションが成り立つということです。

先のパターン分けで言えば、受信側のコミュニケーション・スキルが高いとき(Aパターン、Bパターン)であれば、コミュニケーションは成り立つでしょう。

キャッチボールの例で言えば、ボールを投げる側が取りやすいボールを投げてくれれば理想的ですが、多少、暴投気味のボールだとしても、キャッチする側のスキルが高ければ、うまく相手のボールを受け取ってくれるような感じでしょうか。

ところが、いくらボールを投げる側が、大谷翔平ばりの剛速球を投げられたとしても、ボールを受け取る側が、それに対応できるだけのスキルを持っていなければ、キャッチすることはできません(Cパターン)。

その場合、いくら

「俺はストライクを投げている!キャッチできない方が悪いのだ!」

と言い張っていても意味はなく「自分が投げたいボールを投げているだけ」という時点で、キャッチボール(コミュニケーション)は成り立たないわけです。

では、キャッチボールを成り立たせるにはどうしたら良いか?

ちょっと考えてみれば、すぐにわかると思いますが、相手の取りやすいコースに投げてあげること、相手の取りやすい速さで投げてあげることです。

言葉によるコミュニケーションの場合も、全く同じだと思います。

相手に自分の意図が伝わらないのであれば、言い回しを変える、表現を変える。
あるいは相手に理解できるような補足的説明を加える。

いろいろな方法があると思います。

本当のキャッチボールの場合は、通常、1対1で行いますから、相手のスキルを見ながら対応できるでしょう。

言葉によるコミュニケーションの場合も、1対1、あるいは不特定多数を相手にせず、閉じた環境の中で、どのような人たちが自分の発した言葉を受け取っているのか認識している場合は、それに応じた情報の発信の仕方をしても問題ないでしょう。

しかし、マスを相手にする場合、誰が自分の言葉を受け取るのか想定できない場合、相手のスキルについては想定できないですから、そのリスクを充分、認識した上で情報を発信する必要があると思います。

プロ野球の投手が、同じプロ相手にも小学生相手にも同じスピードでボールを投げることは無いでしょう。

そのようなリスクを認識しないまま、受け手が誤解するような可能性のある情報発信の仕方をするということには、やはり問題があると思うのです。

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キャッチボール

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