未来を思い描くことの大切さ

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超久々にブログを書いてみる。
まあ、書きたいことは色々とあるんだけれども、なかなか筆が進まず(笑)、そうこうしているうちに自己完結しているということもあるんだけれども、年末ということもあるし、ちょっとだけ書いておくかとか思った次第。

相変わらず、スピや変なカウンセラーに傾倒する人は多いように見受けられるが、それに呼応してそういう人たちに警鐘を鳴らす人も多くいるっぽい。
自分としては、最終的に自分が自分に対する責任を持ち、周りに迷惑をかけなければお好きなようにというスタンスではあるのだが、「周りに迷惑をかけない」っていうのが、批判を多く受けている一因ではあるのだろうと思う。

そんな中で、スピやら、最近良く見かける「自分ビジネス」やら、色々と怪しげなものの中で言われているポジティブ思考について、ちょっとだけ批判的な意見をネットで見掛けたので、少し自分の意見もまとめておきたい。

まず、界隈で言われている(らしい)、ポジティブ思考について。
望む未来を心に描けばそれが叶う…的な考え。
できるだけリアルに、具体的な感覚で、それを想像し体験するみたいな感じでしょうか。
逆に、ネガティブな思考はネガティブな現実を引き寄せるっていうことにつながるといった考え方。

この考え方は、かなり前の記事にも書いたのだけれども、正しくもありちょっと中途半端な説明でもあると思っています。

以前の記事で、「『引き寄せる』というより、願望に向かって、進んでいく」というようなことを書きました。 スピリチュアルなことが好きな人、...

まずひとつはカラーバス効果。
何かについて意識を向けることは、身の周りに溢れている関連事項、チャンスその他に気づく可能性を高めてくれます。
そういった意味で、自分の理想とする未来を心に刻み込むことは、それを実現させるための重要な要素であると思います。

散歩のついでに富士山の頂上に着いてしまうという人はいないでしょう。
(いたとしたら、登山のすごい天才かもしれませんw)

叶うか叶わないかわからないからといって、目の前のことだけをこなしている生き方は、刹那主義的な生き方であり、その時だけ良ければそれで良いという生き方につながってしまうでしょう。

かといって、もちろん、未来を思い描けばそれで実現するかといえば、そんなことはなく、現状と理想の未来のギャップをどう埋めるかという戦略と行動が必要になってきます。
これに関してよく聞く言葉としては、PDCAサイクルがあると思います。

  •  Plan → 計画(これが未来を思い描くということになるかと思います)
  •  Do → 行動
  •  Check → 評価(計画通りに進んでいるか)
  •  Action → 改善活動

これを当たり前に進めることによって、目標に近づいていくということになります。
当然のことながら、Planだけ立てても、それが実現するわけはありません。

だからといって、Planを立てずに理想もないまま、ただ生きているというのは動物と変わらない生き方とも言えるでしょう。

もちろん、短期的には、自分の目標が叶わないこともあるでしょう。
例えば、大学に合格するとか、大会で優勝するとかいった、他者との関係の中で自分の位置が決まるような目標である場合は、自分の努力だけでは如何ともしがたいことがあるというのは確かです。

でも、人としての価値って、その瞬間瞬間の状態だけじゃないじゃないですか。
ある大会で優勝できなかったからダメな人でもないですし、ある学校に合格できなかったから価値の無い人間ということにもなりません。

作者急逝によって連載が終わってしまった「鮫島、最後の十五日」っていう漫画があるんですよ。
「バチバチ」、「バチバチBURST!」っていう相撲漫画のシリーズなんですが、これに結構、泣けるシーンがいろいろあるんですよ。

「バチバチBURST!」の3巻に、主人公の鮫島と同期の田上ってのが取り組むシーンがあるんですね。
で、田上ってのは、元々、良い奴なんですけど、自分の相撲に行き詰まりを感じちゃってて、掌にバンデージを固く巻いた上で、立ち会い時にわざと鮫島に対して突っかけたりと汚い手を使うんですが、それでも結局負けちゃうんですよ。
で、相撲が終わったあとに、兄弟子の猛虎という相撲取りに殴られて
「何だあの立ち合いは」
と言われたところで、兄弟子に対して土下座してこう言うんです。

田上:「もう底が見えました。俺はここまでです」

バチバチBurst

で、汚い思いをしてまで勝ちたかった自分の思いを兄弟子に語るんですが、それに対して猛虎は

猛虎:「何をそんなに焦ってるんだ、お前は…」
「歩む速さなんて人それぞれ違うだろ…」

その言葉に対して、自分に才能が無いと思っている田上は涙ながらにこう返します。

「ならこの先が俺にあるんですか!?俺に才能があるんですか!?」

バチバチBurst

そう聞く田上に対し、猛虎は一言、こう言い放ちます。

猛虎:「知らん!」

バチバチBurst

うわ!冷た!
とか、思うかもしれませんが、その後、彼はこう続けます。

猛虎:「お前に才能があってどこまで登れるのか…。そんなことは俺は知らん!」

猛虎:「ただ…、今より弱くなることはない」

バチバチBurst

かっこ良くないですか?

結局、この後、田上は相撲を諦めること無く、関取へと昇進します。

今の時代、インターネットの普及もあり、周りの状況や情報が色々と自分の目や耳に入って来やすくなっています。
その中で、周囲の人の歩み方が気になることもあるでしょうし、時代の変化・流れが速い分、思い描いていた目標がいつの間にか時代遅れになってしまうこともあるかもしれません。
だからこそ、思い描くべき理想や目標は、環境や時代の変化に影響されないような、本質的なものであって欲しいと思いますし、そうあるべきだと思います。

例えば、僕は、10数年前に、会社を辞めて独立するときに

「日本の中小企業を元気にしたいです」

といって、会社を辞めました。
僕の専門はIT系のコンサルなので、特に時代の変化が速い業界でもあるのですが、技術的な変化がいくらあったとしても、本質的な理想は変わりません。

どのような世の中が理想的であり、自分自身がその中でどのような役割を果たしていくべきなのか

それを考え、それに向けた行動をしていけるのであれば、ポジティブ思考でもネガティブ思考でも幸せな人生と言えるのではないでしょうか。

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