HSPと聞くと、僕は Hot Soup Processor というプログラミング言語のことが頭に浮かんでしまうのですが、最近では、
という、
生まれつき「非常に感受性が強く敏感な気質もった人」
という意味で使われることが多いらしい。
統計的には、人口の15-20%くらいが当てはまるということらしく、それ程、珍しい気質というわけでもない。
まあ、環境に敏感だったり、見方によっては神経質と受け取られかねない人もいるから、別にそういう気質の人をどうこういうつもりも無いし、置かれている環境によっては暮らしづらいこともあるだろうなぁという感じ。
念の為に、HSPの特徴について挙げておくと
- Depth of processing(処理の深さ)
HSPは感覚データを通常よりはるかに深く、かつ徹底的に処理しているが、それは神経システムにおける生物学的な差異によるものである - Overstimulated(刺激を受けやすい)
感覚的に敏感である。五感や、人の感情や雰囲気から自身の内部に入り込まれ受ける刺激が非HSPに比べ強い。何に対して敏感かは個人差がある。心身ともに疲れやすく、不機嫌や体調不良などにつながりやすい。嫌なことだけでなく、楽しいことでも刺激が多すぎると疲労になる。 - Emotional reactivity and high Empathy(感情的反応性・高度な共感性)
神経細胞「ミラーニューロン」の活動が活発であることにより、共感力が高く感情移入しやすい。他者の問題を自身の問題として同一しやすい面もある。 - Sensitivity to Subtle stimuli(些細な刺激に対する感受性)
人や環境における小さな変化や、細かい意図に気づきやすい。無意識的あるいは半無意識的に環境内の些細な事柄を処理できる能力から、しばしばHSPは「ギフテッド」や「第六感」を持っているように見えることもある。
(以上、Wikipediaより)
これらの特徴はDOES(ダズ)と表されるらしいです。
そして、どれか1つでも当てはまらないのであれば、HSPでは無いらしい。
ところで、何故、今回、HSPのことについて書いておこうと思ったかというと、最近、スピ系にハマる人が、このHSPを自分たちの特別感に利用しているように見えてきたから。
実際、ちょっと調べてみると、
「スピリチュアルなことや、創作、心理学、哲学に興味を持つ傾向がある」
ということもあるらしいので、HSP気質の人がスピにハマるということはあるのだろうと思います。
しかし、逆は必ずしも真とは言えないのは当然で、スピ好きがHSPとは限らない。
共感力の高さなどがスピ大好きっ子たちの「テレパシー」とか「第六感」みたいなものに通ずるところがあって、HSP気質に憧れを持っちゃうのか、自分もHSPだと信じて疑わない人もいるようです。
(個人的にはHSPでも、そうでなくてもどうでも良いじゃんと思いますが…)
ネットでちょっと検索すると、簡易テストなどもすぐに見つかるので、それをやってみて
「自分はHSPだった」
みたいに言っている人もいるようです。
自分の気質について改めて考えるのは別に悪いことでも何でもないので、別に良いと思いますが、個人的に気になるのは、そのような自己診断で「自分はHSPだから」と何かの言い訳に使い始めるのは問題かなと思う。
以前、このブログで紹介したMさんは、今でもブログを書いているようで、この前ちょっと覗いてみたら「自分はHSPだった!」と書いていました。
さっきも書いたように、気質の問題なのでHSPでも何でも良いのだが、この人が書いている「自分がHSPだという証拠」を読むと、「いや、それ普通なんじゃ…?」みたいな印象を受けてしまいました。
まあ、ネット上のかんたん検査でも中くらいのHSP気質と出たようなので、繊細な人なのだろうとは思いますが…。
ちなみにこのMさん。
20数年前に、僕とやり取りがあったときに、自分に来た不幸の手紙を他の人にも出していたという人。
(その話は、こちら)
この人の自己評価は
「不幸の手紙のマイナスエネルギーを感じ取れた自分。HSP!」
なのでしょうが、実際のところは、それを受け取った人の気持ちを汲み取れない、共感力の欠片も無い人なのだと僕は思っています。
(要は、単に人と上下関係を作り、自分を特別視したいだけの人)
HSPになりたがるスピ好きというのは、アドラー心理学でいう劣等コンプレックスの「自慢」と「不幸のアピール」の歪んだ形にしか見えません。
要するに「他の人より感受性が強い」という自慢と、「他の人より生きづらい世界で生きている」という不幸のアピールです。
まあ、実際、そういう人もいるでしょうが、最終的には「だからどうした」ということでしかなくて、それを最後の拠り所にしている人で、実はHSPでも何でもないという人はどうするんでしょうね?
それにしても、スピにハマる人たちって、量子論とか無意識とかHSPとか、少しでもアカデミックな言葉で権威づけしようと必死になっているようにしか見えません。
もっと、足元見て地道に生きていった方がずっと楽になれるのになぁって思います。
でも、上に書いたMさんも、僕より年上だったはずだからもう50歳過ぎてるはず。
10年経とうと、20年経とうと、自分自身を見つめ直す気がなければ、成長なんかないですけどね。
この人も確か、瞑想とかやってたはず。
瞑想って目を瞑って座ってるだけじゃなくて、自分の内面に目を向けることなんですけどね。
箸にも棒にもかからないスピ本を何冊も読むより、手塚治虫の「ブッダ」でも読んだ方がずっと役に立つんじゃないかと思いますよ(笑)。
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